はじめに、有料ソフトの『無料体験版』と完全無料の『フリーソフト』は別物です。
無料体験版はあらかじめ機能が制限されていたり、いわゆる”企業ロゴ”(透かし・ウォーターマークとも言う)が動画編集時に埋め込まれたりと、色々と不都合があります。
そこで本記事では、完全無料で且つロゴが出ない動画編集フリーソフトを厳選しました。
各動画編集ソフトごとの特徴(メリット・デメリット)や大まかな使い勝手も記載しているので、参考にして頂ければ幸いです。
※以前「Dailymotionの動画を無料でダウンロード保存する方法」の記事にて、検証のためダウンロードした韓国のアニメを実際に動画編集して解説しています。また、完全無料だけれど日本語に対応していない動画編集ソフトは除外していますので、ご了承ください。
おすすめの動画編集フリーソフト7選
Shotcut
高解像度4Kの動画編集にも対応したオープンソース(完全無料)の動画編集ソフト『Shotcut』
ここ最近、とくに2017年に配布停止した「Windowsムービーメーカー」の代わりとして人気が出てきたこちらの無料動画編集ソフト。
動画の切り貼り、取り込み&カット編集、音楽挿入はもちろん、タイムラインや履歴から過去の動作を振り返ることも可能。
フィルター部分は映像と音声で別れており、ざっと列挙しても
- 3Dテキスト
- クロマキー合成
- ぼかし/モザイク処理
- 彩度/明度/輝度調整
- 色反転
- 映像のフェードイン/アウト
- 部分消去
など、長くなるので一部のみ抜粋したが、基本的なフィルター・エフェクトは網羅している。
冒頭でも触れた通り、動画編集ソフトの中で”完全無料且つ企業(ソフトウェア)ロゴが出ない”フリーソフトは少なく、実際にロゴが出るかは動画編集してみないことには分からないため、見つけること自体が困難。
加えて、かつて人気だった無料動画編集ソフト「VideoPad」みたく有料になったり、一定期間が過ぎたら機能制限されたりといった改悪される可能性もあるため、安心して使い続けられる”無料の動画編集ソフト”は非常に少ない。
その点、こちらの『Shotcut』はオープンソース(OSS)であり、その特性上、今後有料化やロゴが勝手に挿入されるなどの改悪が為される可能性は極めて低いため、”安定性”の面でも強くおすすめできる。
とはいえいくつか欠点もあり、まずソフト自体は重くないのだけれど、初回の起動にやたらと時間が掛かり、これが地味に気になる。そして”オープンソースソフトウェア”のデメリットとして、基本的にサポートはない。
また、通常のテキスト挿入は問題ないが、3Dテキストのほうは日本語(漢字・ひらがな)が文字化けしており、実質英数字のみな部分も痛い。
加えて言うと、今回実際に「Shotcut」で動画編集していたところ、ソフトを裏に移動させても文字がモニター上に表示され続けるバグ(?)が出現し、一度ソフト自体を終了させる必要があった。↓
総じて動画編集ソフト自体の能力は高いけれど、多機能ゆえに細かい部分まで手が回っていない印象を受けた。
また、ソフト自体の使い勝手(複雑性・難易度)に関しては次項の『AviUtl』よりも優しく、『Windowsムービーメーカー』よりかは難しめ。
ここら辺は動画編集経験の有無によっても変わってくると思うけれど、個人的には”完全無料の動画編集ソフト”の中では、使いやすいと感じる。
AviUtl
恐らく完全無料の動画編集ソフトの中では最も有名で、あらゆる動画編集が可能な『AviUtl』
昨今、”Youtuber”がテレビやメディア関連にまで露出し、小学生男子の『将来なりたい職業ランキング』で2位に登場、思わず3度見したことは記憶に新しい。(尚、”中学生”の括りでは3位にランクイン)
そんな”Youtuber”の方々も動画編集に利用しているのがこちらの「AviUtl」となる。
AviUtlの使い方や動画編集で出来ること(機能性)に関しては「AviUtlの解説専門サイト」があり、また”Youtuber”の方も実際に動画投稿して解説しているので、そちらをご覧頂ければ。
基本的な部分のみ列挙すると
- 不要なシーンのカット・結合
- 動画・画像・音声・字幕(テロップ)の合成
- 再生速度の変更(倍速・スロー・逆再生等)
- 動画自体のリサイズ
- 動画の縦横回転・左右反転
- インターレース解除・ノイズ除去等の画面処理
- カラーグレーディング(色調補正等)
- 各種エフェクト効果
- エンコード処理
とくに”エフェクト”に関しては有志が作成された”プラグイン”を導入することにより、無限に拡張可能。
また、作成した動画のオーサリング(DVD変換)などには対応していないが、”動画編集”に関しては出来ないことのほうが少ない。
尚、AviUtlの導入(ダウンロード・インストール)から設定、基本的な使い方から高度な動画編集方法までは、以下のサイトで全て網羅されているので、参考までに。
Avidemux
動画編集に何を求めるかは人それぞれ違うと思うけれど、ある程度共通しているのは、動画の基本的な編集「結合、変換、回転、切り抜き、リサイズ/トリミング」辺りでしょう。
そんな基本的な動画編集を直感的に操作できるソフトがこちらの『Avidemux』
「コントラスト設定」などはダイヤルを回して調整する珍しいUI、コンマ数秒単位で調節できる設定画面など、細かい編集をしたい場合に非常に適している。
前項『Shotcut』と同じくフィルターは映像と音声に分けられており、
- 映像フィルター「コントラスト/カラー調整、シャープネス処理、ノイズ除去、インターレース」
- 音声フィルター「フレームレート変更、サンプリング設定、ミキサー機能、ゲイン調整」
など、他にも”構成”の項目から動画編集で一歩踏み込んだ部分まで設定でき、総じて『AviUtl』より簡単だけれど、『Windowsムービーメーカー』よりかは詳細に動画編集可能となっている。
とくに個人的に良いと感じたのが「ロゴ除去と音ズレ修正機能」
元々”映像”と”音声”は別々で、大雑把に言えばこの2つで成り立っているのが”動画”というコンテンツとなり、音ズレは高い頻度で起こり得る。
若干作業は必要なものの、そんな比較的遭遇する割合の高い動画の”音ズレ”の修正作業も簡単にできる。
また、すでに透かし(ウォーターマーク)が入っている動画のロゴ部分のみをワンステップで簡単に除去できる点も見逃せない。
欠点としては、外国製のソフトなため完全には日本語に対応しておらず、そのままでは中途半端な日本語になっているため別途日本語化必須。
また、個人的に動画編集の際によく利用する”字幕挿入”がひと手間掛かり、気軽に文字を挿入できないのも痛い。
加えて言うと、エンコード速度に若干時間が掛かった点も気になるが、この点は動画にどういった処理を施すかでも変わってくるので、とくにデメリットとは言えないかもしれない。
OpenShot Video Editor
日本というよりも海外で人気があるオープンソースな動画編集ソフト『OpenShot Video Editor』(以下 OpenShot で統一)
恐らく知らない人も多いと思うけれど、ソフトの”使いやすさ”だけで言えばトップクラスで、操作方法で迷うことはほぼないと思う。
ソフト自体は文字が少なく、その分グラフィカルなアイコンで直感的に分かるUI、そしてタイムライン含め、一つの画面に各種機能がコンパクトにまとめられている。
とくに特徴的なのはフィルター部分で、数100種類ある全てのフィルターに”アイコン画像”があり、どういった処理をするかひと目で分かる仕様になっている点。後述する『Windowsフォト』並に分かりやすい。
一例として、エフェクト部分は
と、トランジション部分はこれ以上に多岐に渡る。
そしてこれは動画編集とは関係ないが、完全無料のオープンソースにも関わらず公式サイトの気合の入れようが半端なく、ソフト自体もほぼ毎日更新されている。↓
個人的に『OpenShot』は、様々なフィルターをアイコンを見るだけでどういった動作になるか分かる仕様上、”Windowsフォトよりも凝った動画編集をしたいけどAviUtlはちょっと敷居が高い”と考える初心者の方におすすめしたい動画編集ソフト。
OpenShot Video Editor ダウンロードページへ
Windowsフォト
Windows”フォト”というソフト名の通り、基本的には写真(画像)を閲覧するためのソフトウェアだけれど、実は簡単な動画編集もできる。
とはいえ動画編集機能は必要最小限。
- 動画のカット
- 文字挿入(&フリーハンド)
- 簡易的な3D効果追加
- アニメーション効果
など、基本的なことしかできない。
しかしその分機能が絞られており、動画編集ソフトにありがちな”UIがごちゃ付いていて分かりづらい”といったことがないので、良い意味で初心者向けとも言える。
編集箇所の詳細(メモリ)が無かったり、エフェクトもテンプレート化されていて自由度が低かったり、当然タイムライン機能もなく不便な点も多いけれど、初歩的な動画編集ならMicrosoft純正の『Windowsフォト』一択だと思う。
Windowsムービーメーカー
2017年に公式でのダウンロード配布が終了したにも関わらず、未だ根強い人気がある”Microsoft純正”動画編集ソフト『Windowsムービーメーカー』
個人的に完全無料の動画編集ソフト界隈では
- シンプル且つ簡単に動画編集ができる『Windowsムービーメーカー』
- 少々難しいが高度な動画編集ができる『AviUtl』
この2強だと感じており、サポートが打ち切られ2年経った現在でも、用途によって使い分けている人が多い。
また、Windows10に正式対応している訳ではないけれど、とくに問題なく動画編集可能。
欠点としては、『Windowsムービーメーカー』ソフト自体はすでに配布が停止しているため、新たにダウンロードするためには、通常は外部の非公式サイトから手に入れる他ない。
しかし、一部でプログラムを改竄したり、ウィルス付きの『Windowsムービーメーカー』をアップしているサイトもあるため、適当な外部サイト(とくに海外サイト)からのダウンロードは非推奨。
ちなみに今回、本記事の執筆に辺り調査したところ、Microsoftのサーバーからは『Windowsムービーメーカー』含むソフトウェアデータが削除されておらず、そこから直接ダウンロード可能だった。
外部サイトを介さず、Microsoftのサーバーから直ダウンロードできるリンクが下記
※「Windows Essentials 2012」というソフトウェアパッケージの中に「Windowsムービーメーカー」が入っている形なので、インストールの際は「Windowsムービーメーカー」の部分のみ選択してインスールしてください。
注:本記事執筆に辺り、実際にダウンロードして確認したところ、とくに問題なく動画編集可能でした。しかし、今後Windowsアップデートなどで使い続けられるとは限らないので、ご了承ください。
加えてMicrosoftのサーバーからデータが完全に削除された場合、ダウンロードはできなくなると思われるので、その点もご了承ください。
また、万が一、何か問題があるようならこちらのリンクは非公開にします。その際は本記事のコメント欄にてご報告頂ければ幸いです。
iMovie
Windowsでいうところの「Windowsムービーメーカー」&「Windowsフォト」に該当するApple純正動画編集ソフト『iMovie』
こちらMac製品に標準でインストールされているので”使ったことはないけど知っている”といった方も多いと思う。
動画の基本的な編集作業全般(カット、エフェクト、文字・字幕挿入、BGM追加、画像追加)が直感的にでき、動画編集後はそのままYoutubeなどへアップロードできる親切仕様、加えてはじめからMacに付属しているソフトだけあり安定して人気がある。
私はMacは所持していないため、Mac版は検証できなかったのだけれど、どうやらPC版『iMovie』もロゴなし(透かし/ウォーターマーク)とのことなので、IOS端末(Mac・iPhone・iPad)を所持しているAppleユーザーの方は、まずこちらを利用してみるのがおすすめ。
無料で使える動画編集ソフトまとめ
どの程度まで動画編集するかにより、最適なソフトは変わってきます。
例えば、動画の簡単な編集(切り貼り・文字入れ)程度なら『Windowsムービーメーカー』、もっと言えばWindows10標準の『フォト』機能だけで事足りるでしょう。
エフェクトを複雑且つ多様に掛けたいのであれば、プラグインで無限に追加できる『AviUtl』が第一候補。
より簡単にフィルターを追加したいのであれば『Shotcut』や『OpenShot』が挙げられますね。
いずれにしても、本記事でまとめたこれらのソフトは全て「完全無料・ロゴなし・日本語対応」と気軽に利用でき、多くの方におすすめできる動画編集ソフトとなります。
逆に有料ソフトの体験版などは止めておいたほうが無難ですね。
せっかく苦労して編集した動画に企業ロゴが入って台無しになったり、多くの場合30日間しか使えないので、結局他ソフトを使う羽目になります。
個人的には”汎用性の高さ”から『AviUtl』がおすすめですが、自分で実際に使ってみて選んで頂ければと思います。
※以下の記事ではBD/DVD/CDコピーフリーソフトをまとめています。
例えばYoutubeによくあるMADやBGM集などを作る際、メディアからPCへデータをコピーし、動画編集した後にアップする際に必須になりますね。参考までに。
一番重要なのは、ロスレスで編集出来るかであって、それ対応のツールが紹介されてないのは
残念(LosslessCutとか。Avidemuxは昔ロスレスだった気がするけど、今違うみたいだし)ですが、本当に御詳しいですね。
頑張って下さいませ!。
AviUtlは昨年の10月に更新されてますよ。
コメント&情報ありがとうございます。
さすがにもう更新はないかと思ってたんですが、まさかの”6年ぶり”のメジャーアップデートということで。
目立った機能追加はなさそうですが、AviUtlの拡張性は唯一無二なので、これからに期待しちゃいますねー
早速記事のほう修正させて頂きました。
無料の動画編集ソフトといえばDaVinci Resolveが一番使えると思います。